後漢の時代に楊震という高官がいたのですが、
ある男が夜にやってきて、
「誰も見ていませんから受け取って下さい。」
と賄賂を渡そうとしました。
その時に楊震は
「天知る、地知る、我知る、予知る、
なんぞ知ることなしという」
と言いました。
これは、
「天も知っている、地も知っている、私も知っている、
あなたも知っている、どうして誰も知ることはないと
いえるのでしょうか」
という意味です。
人はつい甘い誘惑に乗りそうに
なってしまうことがあります。
「ここだけの話」とか
「言わなければ誰にもわかりませんよ!」
という類の話です。
でも往々にしてこれらの悪事は、
どこからか情報が洩れ、
広く世間に知れ渡ってしまうこと
の方が多いと思います。
また、もっと重要なのが、
「自分の良心に嘘はつけない」ということです。
心にやましいところがあると、
それに気を取られてしまい、
本来やらなければならないことに
全力を尽くすことが出来なくなって
しまうのではないでしょうか。
これと同じような言葉で、
「天網恢恢、疏にして洩らさず」
という言葉があります。
「天に貼ってある網は一見粗いように見えるが、
悪人を網の目から漏らすことはしない。
悪いことをすれば必ず天罰が下る」という意味です。
誰も見ていないところでも襟を正す。
逆に言うと、良い行いをしていれば、
それもお天道様は見ているということでしょう。
なかなか難しいことですが、
正しい心持が前向きな経営に
繋がっていくと信じております!